世界平和記念聖堂正面ラテン語碑文

 

 

解 説

世界平和記念聖堂正面ラテン語碑文

 

    HIC DOMUS DEI EST ET PORTA COELI
(ここは、神の家、そして、天の門です)

 

 世界平和記念聖堂の正面の左右に刻まれているラテン語です。

 

 この度、世界平和記念聖堂は、国の重要文化財に指定されることになりました。
 あまりめだちませんが、このことばは、この聖堂の使命と本質を告げる重みをもつものです。
 自らも被爆し聖堂建立を志したドイツ人宣教師フーゴ・ラサール神父の熱い願いを忘れてはなりません。「此の聖堂に来り拝するすべての人々は、逝ける犠牲者の永遠の安息と人類相互の恒久の平安のために祈られんことを」(「聖堂記」より)

 

 「神の家」とは、神が現存する場所であり、祈りと礼拝を通して神と人が出会う場所であります。(1)

 

 「天の門」とは、神の国への入口を意味し、聖堂に入ることによって、あふれるほどの神の祝福と恵みに満たされる幸福を実感することができるのです。(2)

 

 聖書に、「神の家」と「天の門」が並んで出てくる章節があります。

 

    見よ、主が傍らに立って言われた。
   「わたしは、あなたの父祖アブラハムの神、イサクの神、主である。今あなたが横たわっているこの土地を、あなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫は大
   地の砂粒のように多くなり、西へ、東へ、北へ、南へと広がっていくであろう。
   地上の氏族はすべて、あなたとあなたの子孫によって祝福に入る。見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこ
   の土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。」
    ヤコブは眠りから覚めて言った。
   「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった。」
    そして、恐れおののいて言った。
   「ここは、なんと畏れ多い場所だろう。これはまさしく神の家である。そうだ、ここは、天の門だ。」
    ヤコブは次の朝早く起きて、枕にしていた石を取り、それを記念碑として立て、先端に油を注いで、
    その場所をべテル(神の家)と名付けた。
                    (創世記28章13節~19節)

 

  (1) あなたの庭で過ごす一日は千日にまさる恵みです。
      主に逆らう者の天幕で長らえるよりは
      わたしの神の家の門口に立っているのを選びます。
                    (詩篇84・11)

 

      主の家に
      わたしたちの神の家の庭に居並ぶ人々よ。
      主を賛美せよ、恵み深い主を。
      喜ばしい御名をほめ歌え。
                    (詩篇135・2~3)

 

  (2) わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。
                    (ヨハネ10・9)

 

      わたしたちの故郷は天にあります。そこから主イエス・キリストが
      救い主として来られるのを、わたしたちは待っています。
                    (フィリピ3・20)