司教座
解 説
世界平和記念聖堂は、カトリック広島司教区の司教座聖堂でもあります。
司教座聖堂は、司教の公式聖堂で、司教座が恒久的に設置されています。
司教座の語源は、ギリシャ語のkathedra「席」、ラテン語のcathedra「座」「椅子」です。
司教座聖堂がカテドラルと呼ばれるのはこの語源によります。
司教が司教座に着座し、司教としての権威をおびて祭儀を司式し、教導職を執行します。
司教座聖堂は、司教区の母教会であり、献堂記念日と守護聖人の祝日は、司教区全体で記念し祝います。(広島司教区の司教座聖堂の献堂記念日は8月6日、被昇天の聖母に献げられていますので、祝日は8月15日です。)
司教区は、司教が住み、司教座が設置されている聖堂(カテドラル)がある都市の名をもって呼ばれます。(たとえば、広島司教区は、岡山、鳥取、広島、島根、山口の五県を含んでいますが、「中国教区」ではなく、司教座聖堂がある広島市の名をとって「広島司教区」と呼ばれます。)
司教座は、かつては、天蓋を有したり、肘掛や背に華麗な装飾を施されたりした荘厳なものでしたが、第二バチカン公会議後は、「仕えられるためではなく、仕えるために来た」牧者である司教の模範であるイエスの精神を象徴するように質素なものになりました。