インファンタ訪問

マリア・ヴィヴィアナ 福田浩子(岡山教会)

 

 8月18日~24日、広島教区の学生達を中心に今年もインファンタ教区を訪問しました。私にとっては5回目の訪問です。日本からは、司祭3人、学生や青年が3人と私の7人が参加、また今回は韓国・釜山教区から司祭1人、助祭2人、神学生5人が初めて参加しました。インファンタにて三姉妹教区が初めて集い、今回特に信者同士としての活発な交流が始まりました。
 滞在中はインファンタ・ジェネラル・ナカルにホームステイし、カルメル高校訪問、リアル教会やナカル教会訪問、ラバイアン・前インファンタ司教様訪問、カルメル女子修道会訪問、さらに2004年の大洪水後の復興プロジェクトとして建設されたヨハネ・パウロ二世村見学、シオン修道会による女性の自立支援手工業センター見学等連日盛り沢山のプログラムでした。
 そして私達三姉妹教区が、カトリック教会を通してアジアの真の和解に向けて、どのようにその使命を果たしていけるか、という分かち合いが何度も持たれました。日本・韓国・フィリピンが第二次世界大戦をはじめ、今まで抱えてきた見えない壁や溝、苦しみの歴史を共に越えて、平和な世界を目指して取り組んでいこうという認識を新たにした日々でした。それぞれが帰国後もこの出会いや分かち合いをどのように活かしていけるかが、今後の三姉妹教区の意義と使命を果たしていく大きなポイントになると思います。
 私自身を振り返った時、インファンタとの関わりは早5年になります。声楽家である私にできることを考え、3年前からはチャリティーコンサートによる収益で、インファンタの高校生を日本に招待するという新しい交流プログラムが始まりました。また日韓併合100年の今年、「平和への祈り」のコンサート(岡山教会)を韓国の演奏家と共に開催したことは、私にできる「和解」への取り組みの1つでした。私達一人一人が、それぞれのおかれた場で何が出来るかを考え、取り組んでいくことが、神様からいただいた三姉妹教区を通してのアジアの和解への呼びかけに応えることだと思います。
インファンタ教区で30年以上働いているオランダ人の終身助祭マリオ助祭さんの言葉が印象的でした。
 「互いに愛しあうためには、まずお互いを知らなくてはならない。知らないものを愛することはできないから。互いに知り合うためには、お互いの声を聞き合うこと。心を開いて互いの人生のストーリーを話し、聞き合うことです。」
 個人の関係から国家の関係に至るまで、お互いをよく知り合うことから平和への道が始まるのだと感じました。共に旅することで、すでに知っている人同士にはより深い理解と絆が、そして新たに多くの友人がインファンタ、釜山に増えました。愛する人達がいる国と戦いたいと思う人は誰もいません。この愛の輪がさらに大きく広がることを祈ります。

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