日本被団協の2024年「ノーベル平和賞」の授賞式に寄せて

 本日、12月10日に、2024年「ノーベル平和賞」を受賞された日本被団協の皆様に、被爆地・広島に拠点を置くカトリック広島司教区の司祭団、修道者、信徒とともに、心よりお祝い申し上げます。そして、被爆80年を迎える前に、日本被団協に対して、栄誉ある平和賞を授与してくださったノルウェー・ノーベル委員会に深く敬意を表します。

 この度の受賞は、世界に向けて核兵器の非人道性を告発し、核兵器廃絶を訴えるために 活動を続けてこられた歴代の日本被団協の関係者の68年に及ぶ活動が高く評価され、世界の人々に明らかにされる素晴らしい機会となりました。

 2024年には、各地で戦争や紛争が続き、さらに複雑な情勢へと発展しているように思います。核兵器使用のリスクも、これまで以上に高まっています。今回の日本被団協の「ノーベル平和賞」は、長い時間をかけて、被爆者の方々が築かれた大きな平和の遺産です。ともに今回の受賞を喜ぶわたしたちも、すべての被爆者の皆様の苦しみと叫びと願いを 継承して、核兵器のない世界の実現に向けて努力していく決意を新たにしたいと思います。

 そのために、カトリック広島司教区として、毎年8月の平和行事はもちろんのこと、教皇フランシスコの被爆地訪問(2019年11月24日)を受けて、被爆75年(2020年)から、長崎大司教区や民間の3つの平和団体とともに取り組んでいる「核なき世界基金」や、2023年8月9日に、日米4教区(サンタフェ大司教区、シアトル大司教区、長崎大司教区、広島司教区)で立ち上げた「核兵器のない世界のためのパートナシップ」などの平和活動を通して、「平和の使徒」として召命に応える努力を、皆様と一緒に続けて行きたいと思います。

2024年12月10日
カトリック広島司教区 司教 アレキシオ 白浜 満