広島地区女性連合会ミサ 聖祭総会 研修会                       2016年5月27日(金)

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広島地区女性連合会 ミサ聖祭 総会 研修会

ミサ聖祭  浦神父様、ヴィタリ神父様、斎藤神父様、アレックス神父様のミサ聖祭に与りました。
  私達は、ミサ聖祭の中で、核兵器の廃絶を心から共に祈りました。
総会は2015年度の活動報告、収支決算書。2016年度の活動計画案、予算書案に付いての説明。全て異議無く承認されました。
研修会 講師:浦 善孝 神父様

◎第1講話 私は、六甲学院、上智福岡高等学校で教員、生徒指導の仕事をしていました。2013年48歳の時、日本管区から派遣されて東チモールのウルメラ村にある、聖イグナチオ学院で働いています。
プロジェクターに依る映写を見ながら説明を聴きました。
ウルメラ村の人々との交流、カトリック信者が99%の東チモールで、近くの教会のミサをしています。  よくお葬式を頼まれます。死亡から24時間以内に埋葬する規定があり、ミサから埋葬まで4時間かかります。マリア信心の盛んな処です。
*私に取って、宗教との関わり、司祭としての生活の場の体験は、とても慰めになっています。  
*洗礼と結婚式は主任司祭の特権です。
東チモールの人口は112万人、面積は岩手県、或いは長野県とほぼ同じで、日本との時差は無く、雨は年間200mm程度、屋根は椰子の葉っぱで葺き、パンを食します。
15世紀からポルトガルの植民地時代が長く続き、ポルトガル語が公式の教養語とされています。
*第2次世界大戦中、3年間日本が占領した時期がありました。
*西チモールはインドネシア領で言語も宗教も違います。
*1975年インドネシアが侵攻し、大規模な虐殺により人口は20万人減少しました。
*イギリスのBBCが虐殺を放映し、世界に知れ渡りました。
*1999年、国連の東チモー ル暫定行政機構の元、住民投票が施行され、結果は80%の独立賛成票、20%の反対票でした。   多年に亘る困難な政局を乗り越えて
*2002年に、東チモール民主共和国が正式に発足しました。
◆ヨハネ3章1-9     イエスとニコデモ
ファリサイ派のニコデモとイエスの対話「ラビ、あなたが神のもとから来られ、神が共におられることを知っています」『人は水と霊に由って生まれなければ、神の国に入ることは出来ない。肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である』『あなたは新たに生まれねばならない』ニコデモは「どうしてそんな事が有り得ましょうか」と言った。彼は永遠の命について問い掛けたが、去って行く。
◆マルコ10章17-22     金持ちの男
人は残された人生について望みを持っている。金持ちの男は永遠の命についてイエスに問いかけるが、去って行く。霊的なことが欠けていた。
*ザーカイも、マタイも同じように霊的なことに欠けていた。

◎第2講話  聖イグナチオ学院、 聖ジョアン・デ・プリトー教育大学について  
2009年8月、イエズス会の会議で、聖イグナチオ学院について、4つの中学・高校からの支援が決まりました。
2013年1月15日聖イグナチオ学院は開校し、中1〜高1まで約400人位居ます。
*私達は、イエズス会のキチンとした教育を目指しています。
貧富の差なく、学びたいと願う子の学校を作る為に、村の小学校の子供達が、イグナチオ学院に入学出来るようにと *始業前の2時間を使い塾を始めています。
*教科書は、1冊を毎年譲り渡して5年間使っています。
私の仕事は、教科書を買うことです。1冊10ドル〜15ドルです。
*中学に入学するには200ドル、(2万5千円)が必要で、貧しい人達の子の奨学金要請への配慮は、他の先生と一緒に家庭訪問をして、適切であるかどうかを決め、学院の校長と副校長が署名をして、主任司祭と、親がサインをした子に支給しています。『今年は28人います。村の子を入学させる為、合格点を下げて入学した子を塾で教えています。   
途上国では、学校のアイデンテテーを通す事の難しさがあります』図書の好きな子でしたが「イグナチオの強い精神、学院での勉強に就いて行けない」と言って転校して行く子もいます。 給食は、1日25円でご飯の上にお菜が載っています。
遠方の子はトラックやバスで登校して来ます。
*土地の風習との関わりの中で、(学校にお化けが出たとの騒ぎがあり)信者の霊媒師さんが、旧約に記されている生け贄の習慣を用い、手に十字の印をして悪霊を払う様子が写されました。生徒達は笑いながら視ていました。
今年1月から高校1年生が出来ました。 入学式に間に合うよう、六甲学院で使用していた机を送って来ました。エリザベートから送られて来た(エリザベートのサイン入り)ボールペンを使用しています。   
現在私は、副校長と事務長をしています。
今年から4年制の聖ジョアン・デ・プリトー教育大学も開学しました。中学、高校の教員を育成する為です。  私は聖書学を教えています。種まきのたとえ等話しています。
  
私は図書館の担当で、今回は此の事に付いても帰って来ました。
◆ヨハネ19章38-42    墓に葬られる
アリマタヤのヨセフは、ピラトの許しを得てイエスの遺体を取り降ろした。
其処へかつての夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。彼等はイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包み新しい墓にイエスを納めた。   
ニコデモもヨセフも、自分の生き方についての思いを、心の中に持っていた。   
ニコデモは、イエスの亡くなった時、心を尽くして埋葬を行った。    
◆イザヤ58章6-12
『悪による束縛を断ち、軛を解き、虐げられた人を解放し、パンを裂き与え、衣を着せる』  正義があなたを導き、主が、あなたの渇きを癒し、骨に力を与えて下さる。
●エレミヤ31章33-34
信者としてどう在るべきか.  
人間の力には限りがあるが、それを超えた活き方の働く時、それは神からの恵みである。

「私は、上智福岡高等学校で毎朝早く起きて校庭を走っていました。
人は人生で、生き方を変えたいと考える時期があり、ウルメラ村に行けば自分が変わるかも知れない。48歳なので今からでも間に合うと考え管区長に話して派遣されました」
"走っていた時は今の準備の時であったと思います"

◎分かち合い
1 イグナチオ学院の様子、東チモールの厳しい状況が良く解った。教育が成長の過程に如何に大切であるか。教科書の必要性が心に沁みた。
2 今日は希望を頂いた。  しっかり援助したい。キリストの精神を活き、葬儀に、神父としての慰めを感じておられる。日本も海外への貢献をしていることを知った。
3 東チモールの状況を聴き、霊的なショックを受けた。 映写を見ながら、経済的な較差にショックでした。自分の置かれた場所で、浦神父の話を手本に生きて行きたい。
4 東チモールを感じられて良かった。「イグナチオ学院に付いて行けない」と言って他の学校に転校した子。   今は改心の準備の時である。  エリック・エリクソンの話のように人生に希望を持つ事。
5 聖書のイマジメーションが、場に由って異なる。
ヨハネ3章と9章がニコデモと繋がっていることを知った。
寄附の使われ方がよく解った。

6 教科書不足の厳しい状況を知った。信仰を見つめ直して生きなければいけない。
基礎教育の無い事に胸が痛んだ。

7 現地の様子を聴いて勉強になった。現代の較差に驚いた。日本は心が貧しい。
信仰生活を大切に。

*アレックス神父  自分に何が出来るか、それに応えられているか。
一人ひとりが、常に挑戦していくことが大切。
 
*浦神父 私は耳が悪いので日本で買った補聴器を使っています。ウルメラ村にも耳が悪くて困っている人が居るのに、何も出来ない。(倫理)の問題と感じています。
質問 ・テーマ慈しみの顔の意味 
「私達一人ひとりの慈しみをイエスは望まれる。私も皆さんも何が出来るか」  
いつくしみの顔を持って行きたい。
聖イグナチオ学院が、教育への取り組みとしている『貧富の差なく子供達に良い教育を提供出来るキチンとした学校』  貧しいウルメラ村の人々への配慮がよく解りました。
聖書の中で、心の芯に霊的な生き方の徹っていることの大切さ。人の力を超えて働く神の恵みを学び、生き方の思考、いつくみの実践を考える神に感謝の研修会でした。
*私達は、世界の平和と核兵器の廃絶をミサの中で心から祈りました。
(オバマ大統領の広島訪問の日でした)

会長 梶山 聰子