2015年2月11日(月)2・11「建国記念の日」を問う広島集会

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足立修一さん(弁護士)

 2月11日(水)、広島カトリック会館多目的ホールで『「建国記念の日」を問う広島集会』が開かれた。今年は弁護士で広島の市民運動ではお馴染みの足立修一さんに、『次世代へ 〜平和憲法を未来にたくすために〜』と題して講演していただいた。
 足立修一さんはまず、安倍政権による日本国憲法改正に向けての昨年からの動きとして集団的自衛権容認の閣議決定(2014,7,1)、「特定秘密保護法」施行(12,10)、衆議院総選挙(12,14)、イスラム国による人質事件(2015,1,20〜)を取り上げ、丁寧に解説された。そして、安倍政権が行おうとしている改憲がどのような内容になるかということを2012年4月に発表された自民党の「日本国憲法改正草案」から検証された。足立さんは草案のなかから国防軍の設置、日本国憲法制定の動機・平和的生存権・戦力の不保持・交戦権の否認などの条文の削除、人権規定の変容などを取り上げ、戦争ができる国をつくることがねらいであると指摘された。また集団的自衛権を行使できるようにする法律として自民党が考えている「国家安全保障基本法」をとりあげ、この法案が成立すると、現行憲法の下で実質的に憲法を変えてしまうことになると指摘され、この法案反対の世論形成の重要性を訴えられた。衆議院総選挙については、沖縄の全ての選挙区で自民党が敗れたことから、沖縄の反基地運動を評価され、連帯の必要性を熱く訴えられた。イスラム国による人質事件については、2014年8月に湯川さんが誘拐されたあとの経過を説明されながら、身代金目的の誘拐事件が安倍首相のカイロでの演説でイスラム組織を刺激し、不幸な結末に至ったという見方を示され、また海外での日本人の保護ということが集団的自衛権と結びけられることを危惧された。最後に「集団的自衛権を行使することは、日本が攻撃を受けていなくても、他国を攻撃することであり、『自衛権』でなく、『攻撃権』である」ということを多くの人たちにわかってもらうように訴えられた。
 講演の後の質疑応答では「なぜ戦争をしようとするのか」「日本国憲法と国際法との関係」「憲法を日本語として厳密に読み取った場合、集団的自衛権容認のような自由な解釈ができるのか」などの意見がでて、講師も交えて意見交換ができた。カトリック、プロテスタント、一般市民ら約80名が参加し、来年もこの集会を継続していくことを確認して閉会した。

(文責 カトリック正義と平和広島協議会 神垣 栄)