2014年2月11日(月)2・11「建国記念の日」を問う広島集会

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肥塚神父(広島司教区)

 2月11日(火)、広島カトリック会館多目的ホールで『「建国記念の日」を問う広島集会』が開かれました。今年はカトリック正義と平和担当司祭で広島の市民運動ではお馴染みの肥塚?司神父に、『迫害の歴史から信教の自由を考える 〜「浦上四番崩れ」の歴史的考察から〜』と題して講演していただきました。
肥塚?司神父はまず日本におけるキリスト教禁制の歴史についてその概略を話されました。その中で特にマンショ小西神父が殉教した1644年(正保1)年からキリスト教禁制の高札が撤去された1873年に注目され、なぜ約220年もの間、指導者(牧者)のいない中で信仰を守り通すことができたのかということについて、当時の地下組織のしくみを説明しながら話されました。その後で「浦上四番崩れ」という事件を紹介され、その中で国の禁教という方針(=国是)を拒否し、迫害にあいながらもキリスト者のアイデンティティを守り抜いた高木仙右衛門を取り上げられました。高木仙右衛門は「浦上四番崩れ」で検挙され流罪になった人物で、密かに信仰を守ってきた浦上集落のリーダーでした。仙右衛門は拷問にあっても信仰をすてなかった人物の一人で、尋問に対する仙右衛門の証言を紹介されながら、彼がどういう信仰をもっていたかについても紹介されました。
講演の後の質疑応答ではキリスト迫害史に関する質問の他、『高木仙右衛門覚書』に記録された証言からキリスト者の生き方について考えさせられたという意見、殉教者を必要以上に評価することや聖人に列聖するカトリックの動きに対して、天皇制と同じ構造を作り出すことにならないかといったプロテスタントの側の意見もでて、教派を超えたキリスト者の集会ならでは意見交換も出来ました。カトリック、プロテスタント、一般市民ら約98名が参加し、来年もこの日を広島の「信教の自由を守る日」と位置づけこの集会を継続していくことを確認して閉会しました。

(文責 カトリック正義と平和広島協議会 神垣 栄)