2013年2月11日(月)2・11「建国記念の日」を問う広島集会

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大川清(おおかわ きよし)さん

 2月11日(月)、広島カトリック会館多目的ホールで『「建国記念の日」を問う広島集会』が開かれました。今年は日本キリスト教団岩国教会牧師で、「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」「米兵の犯罪を許さないで岩国市民の会」代表として活動されている大川清(おおかわ きよし)さんを招き、『軍事力によらない平和な未来のために 〜基地の街、岩国からみえてくること〜』と題して講演していただきました。

 大川さんはまず岩国基地が1945年9月、米海兵隊が進駐航空基地として接収して以後、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争イラク戦争の出撃拠点、あるいは後方支援基地として日米安保の下、機能を拡張してきた歴史を話されました。そして、「思いやり予算」と呼ばれる日本の財政によって基地内の米兵の快適な生活が維持されていること、沖合移設の埋め立て用土砂を得るため愛宕山を住宅開発する計画が、米軍住宅にする計画に変更になっていることなど基地行政の問題点、繰り返され続けている米兵による犯罪、オスプレイ配備に伴う危険性など基地の街での生活の問題点について丁寧に話されました。
 その後で大川さんが関わってきた市民運動の経過について話されました。2004年7月、米軍再編に伴い、厚木基地空母艦載機部隊岩国移転案が報道されて以後、市長発議により住民投票実施が決まり、「住民投票を成功させる会」が発足しました。2006年3月12日、おこなわれた住民投票では87.4%の反対票が投じられ、米軍再編計画に対してNOが突きつけられたにもかかわらず、政府は2006年5月2日、空母艦載機59機、空中空輸機12機の移転という在日米軍再編案に最終合意しました。すると大川さんは「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」を発足させ、民意を反映させる運動を始めています。その後も建設中の市庁舎への補助金35億円を全面カット、在日米軍再編を容認する市長の当選など国の圧力によって基地問題への取り組みはなかなか前進しているとは言い難いですが、市民による粘り強い取り組みを続けています。最後に「私たち市民は微力だけれども決して無力ではない」という小田実さんの言葉を引用され、今後も粘り強く続けていく決意を示して講演を終えられました。

 講演の後の質疑応答では岩国基地問題と周辺の市町村との意識の違いをどう埋めていくか、日米安保をどう考えていくかなどについての意見がかわされました。カトリック、プロテスタント、一般市民ら約60名が参加し、その他、それぞれの立場からの意見を出し合いながら平和についての学習を進めることができました。

(文責 カトリック正義と平和広島協議会 神垣 栄)