2010年2月11日(木)2・11「建国記念の日」を問う広島集会

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 2月11日(木)、広島カトリック会館多目的ホールで『「建国記念の日」を問う広島集会』が開かれました。
 今年は在日韓国基督教会館の現職にあって、日々在日コリアンの生活相談や人権問題に取り組んでおられる金成元さんを招き、『在日コリアンからみた日韓併合 〜これからの共生社会を築くためのキリスト者の役割〜』と題して講演していただきました。金さんは「日韓併合からの100年間」の日本人と在日朝鮮人の関係の変化を御自身と御自身の両親の具体的な体験から整理して話されました。「日韓併合」後の36年間におよぶ植民地支配は朝鮮半島からの人、物、文化の収奪にとどまらず、日本人の朝鮮観に大きな影響をおよぼし、それが戦後の在日朝鮮人政策に大きく反映されました。その結果、在日朝鮮人は貧困と差別の中で生きることになりました。まさにそのただ中で生きてこられた金さんのご両親、そして戦後の在日朝鮮人政策の中で生きてこられた御自身の体験は日韓併合からの100年の歴史を在日コリアンの位置から捉え直すものでした。しかし1970年代に起こった在日朝鮮人の反差別と市民権の回復を求める運動は1980年代、1990年代と引き継がれ多くの成果をもたらしました。そしてその運動は同時に日本人と朝鮮人の連帯を生み出していきました。金さんは御自身の運動の体験から「これらの運動が在日朝鮮人と日本人との連帯・共闘として取り組まれたことにより、以後和解と相互理解が生まれた」と振り返られています。しかし今日の課題として「在日外国人の参政権」の問題、また「9・11世界同時テロ」以降、テロ対策という名目で外国人に対する管理が急速に強められていることも指摘され、教会が進んで多文化共生社会のモデルになるべきではないかと結ばれました。カトリック、プロテスタント、一般市民ら約90名が参加し、1965年の日韓基本条約締結の際に起こった運動の体験や2000年以降の在日外国人に対する管理の強化の状況について参加者からも報告され、それぞれの立場からの意見を出し合いながら学習を進めることができました。

(文責 カトリック正義と平和広島協議会 神垣 栄)