第13回岡山市内巡礼                                 2016年1月30日(土)

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第13回岡山市内巡礼


浦上流配信徒の苦難の旅を偲ぶ

殉教者・巡礼地顕彰委員会

 この岡山市内巡礼は、日本26聖人殉教者の祝日の2月5日に先立つ土曜日に、出発地の岡山南教会と終着地の岡山教会が共同で運営している。
 出発地岡山南教会に昼過ぎにウィル神父を含め参加の皆さんが集合し、浦上四番崩れによって備前岡山の地に流されたキリシタンや日本26聖人の為に祈りを共にした。諸般の事情で資料等が整わない多少のトラブルも有ったが、参加者の協力により流配者に祈ることが出来た。祈りの集いの後、ウィル神父他子供達を含め20数人が岡山教会まで3時間約9キロの道を徒歩巡礼した。前日までの雨模様で多少地がぬかるむ場所も有ったが、今年も交通安全に配慮し、松(しょう)寿寺(じゅじ)までは安全な旭川の河原を歩いた。
 今回の参加は岡山教会と岡山南教会それに尾道からお一人だけだったが、来年以降も続けるので、岡山の両教会はもとより、近隣の教会の方々にも是非参加して頂きたいと思っている。なお、お一人東京から五島出身のシスターが参加されたので巡礼の感想を伺った。

 

イエスのカリタス修道女会 Sr小瀬良るみ

 昨年、「津和野への旅」徒歩巡礼に参加したこともあり、徒歩巡礼に対して大変興味を覚えました。私は修道会で召命司牧の任を頂いております。はっきり言って厳しい現状です。本修道会だけでなく、日本全体、世界に目を向けても同様です。今の時代、司祭、修道召命を志す人は明らかに減少しております。そのような活動の中、巡礼を通して分かち合える喜びを教えて頂きました。
 津和野に関しては相当の距離を歩きました。今回は約9qでしたが、その間ウィル神父はじめ参加した信徒の皆様と出会い、語り、歩みを共にできたことは本当に感謝すべきことであると思います。迫害下の中で、様々な状況の人々がここに生きていた。そう追憶するだけで感動いたしました。住み慣れた故郷を離れ、見知らぬ土地で生きなければならなかった、当時の凄まじい状況は想像を絶するものであったろうと思います。
 どんなに想像力を働かせても理解しえない、はかれない信仰の重さをその場に立ち、感じることが精一杯でした。何よりも、歩みを共にすることで、なぜ歩くのかと自問させられます。人はどこから来て、どこへ向かうのか≠ニ。神様の御前でどう生きるのか、自分自身を直視する時、自分なりに精一杯生きたらそれでいい!と歩みを共にした92歳のおばあさまから教えて頂いたように思いました。 
 お世話になりました。多くの人々に心から感謝を申し上げるとともに、ここにある歩みが日本の信仰を支えているのだと肌で感じながら…あきらめない、希望を持ち続けることを心新たに致しました。なぜならば、みんな神様に向かって歩いていることを再確認することが出来たからです。「次回は鶴島へおいで!」とお声をかけていただきました。
 殉教列島日本と呼ばれるほど殉教者の血が流されている、と以前聞いたことがあります。彼らのお陰で、今を生きる私があると思います。そのことも忘れず、頂いた信仰は私だけのものではない、目には見えずとも何よりも尊い信仰の恵み、この信仰を一人でも多くの人々に伝えることができるならば…そう思わずにはいられない巡礼となりました。