第30回「広島キリシタン殉教祈念祭」                       2013年2月11日(月)

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第30回「広島キリシタン殉教祈念祭」開催


 「広島キリシタン殉教之碑」建立日を第1回としてスタートした祈年祭も本年で30回目を迎え、冬の寒さが和らぎ小春日和となった2月11日(月・祭日)例年通り祈りのうちに開催されました。特に本年は「信仰年」で且つ「広島キリシタン殉教之碑」が広島司教区の特別免償の一つに指定された事で、県内を始め県外からの巡礼者を含め、約200余名と多数の信徒が参列され盛会でした。
 午前9時30分、多くの殉教者の血で染まった己斐の河原近くに建つ「広島キリシタン殉教之碑」前での祈りから始まり、前田万葉司教司式で敬虔に黙想し、歌い、特別免償の祈りを奉げた後、徒歩で約15分の観音町教会迄各自自由に祈りを称えながら徒歩巡礼しました。
 午前10時10分より観音町教会聖堂で前田万葉司教を主司式者とする8名の司祭団によって「広島キリシタン殉教者祈念ミサ」が開かれ、150部用意した「ミサ式次第」が直ぐ無くなる程の盛況でした。祈念ミサの説教は祇園教会の山根敏身神父が担当され、殉教者が信仰に忠実に生きようとして、苦悩し、葛藤し、人間の弱さと戦いながら神へのゆるぎない信頼を勝ち得て殉教してゆく姿を「芸備キリシタン史料」「沈黙」等の記載内容を引き合いに、色々な場面での背景、心の動き、信仰表現等掘り下げた解釈を分かりやすく話され、現代に生きる私達は殉教者の執り成しを願って日々の信仰生活を歩んで行きましょうと結ばれました。
 ミサ後の講話の中で前田万葉司教は、今年は広島教区創立90周年に当たるので、この機会に津和野でいのちを落とした36人の信仰のメッセージを教会の糧とするために、長崎大司教区と密接な連携をとりながら、教皇庁に「列聖」を願い出る準備を開始したいので、沢山の祈りとご協力をお願いしますと熱く話されました。その後、茶話会会場を信徒会館に移し、前田万葉司教を囲んで、お茶を飲みながら各地から参列された多数の皆様と楽しく交流し、午後1時30分感謝のうちに閉会しました。

 茶話会の席上、県外から巡礼参加された一信徒の要望に応えて前田万葉司教が1句詠まれましたので、ここにご紹介します。
                      『小春日の広島巡礼平和かな』

 

(観音町教会 坂井  恒)