第29回「広島キリシタン殉教祈念祭」                       2012年2月11日(土)

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第29回「広島キリシタン殉教祈念祭」開催


 2月11日(土・祭日)午前9時30分より第29回広島キリシタン殉教者祈念行事が開催された。当日は2月としては珍しく晴天に恵まれ、昨年9月広島教区長に叙階された前田万葉司教が初めて参加し主式されることを歓迎しているかのようでした。 祈念式は午前9時30分己斐の清心学園入口にある「キリシタン殉教之碑」前での歌と祈りからスタートしました。当地で殉教し、4年前長崎で列福されたフランシスコ遠山甚太郎、マチアス庄原市左衛門、ヨアキム九郎右衛門を始め、己斐の河原で殉教した多くの殉教者に、いのちにかえてもゆずることのできない強い信仰を私たちにお与えくださいと祈りを奉げました。この殉教之碑を初めて訪れたという司教様は一人で暫くの間、祈っておられました。(一句出来たようです) その後約80名の参列者は近くの観音町教会まで徒歩巡礼し、10時10分より同教会で前田万葉司教司式による「広島キリシタン殉教者祈念ミサ」が司祭4名との共同司式で厳粛に執り行われました。 参列者は例年より多く(約130名)盛会でした。ミサ後の講話で前田司教は静かな語り口で、参列者に多くの示唆に富んだ有意義な話を沢山されましたのでその一部をご紹介します。・・・・・・4年前、中央協議会事務局長時代に関わった長崎での「ペトロ岐部と187殉教者列福式」開催までの苦労話、逸話から列福式当日の数々の感動のシーン、特に「白柳枢機卿の説教中、小雨が降って大変でしたが、最後に「恐れるな!恐れるな!と神様がそして殉教者が叫んでいます。」と声高らかに話された瞬間、雲の間から日が差し込み、一瞬雨が止むという大きな感動と神の恵みを感じ、これは忘れられない衝撃的な出来事でした。」と熱く話された。続いて「本年10月からの<信仰年>を迎えるに当たり、信仰の再発見・・キリストに心を向ける・・仕えられる為でなく、仕える為に人間となられたキリスト! 神様でありながら人間と同じように喜びも苦しみもともにされるほど人間を愛された、この深い神の愛に感謝して生きることが信仰生活です。近年、特に小教区においてはミサを大切にするという意識が欠如する傾向がありますが、これを高めねばなりません。ミサは信仰生活の原点であり頂点です。ミサが生活の全てに繋がって行かねばなりません。」  そして最後に、「殉教者は十字架をきって十字架に向かいました。十字架をきることは、キリストに従って生きて行くしるしであり、天国への架け橋、何も怖くない、確信をもって十字架をきりましょう!」と子供の頃の色々なエピソード等を交えて十字架をきる大切さを強調されました。参列者は前田万葉司教の一つ一つの話に心を留め、これからの信仰生活と福音宣教に生かして行きたいと心に誓い、喜びと感謝のうちに「第29回広島キリシタン殉教祈念祭」を終了しました。

(観音町教会 坂井  恒)