岡山市内巡礼                                         2009年1月31日(土)

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流配者の苦しみを辿(たど)って

岡山南教会信徒

 1月31日(土)岡山市内巡礼に参加させて頂きました。岡山南教会が出発点であるということもあって、2年前に初めて参加、今回が2度目になります。流配された人たちの厳しい迫害と苦しみを、少しでも感じ取ることが出来たらと思いながら、この日を待ちました。
参加された方は29名くらいだったでしょうか。岡山南教会主任司祭瀧井神父の「イエスの中に光を見出し、先人たちと同じように深い信仰に生きるためには、どうしたら良いのか考えましょう」と言う言葉に送られて、冷たい北風の中を出発しました。大人に混じって2才の女の子も、お姉ちゃんお兄ちゃんお母さんと一緒に、寒さに負けず頑張りました。この元気な子供たちが大きく成長したとき、ふとこの日のことを心に蘇らせてくれることでしょう。
今回は思いがけないことがありました。長崎の浦上教会から参加された4名の方々とご一緒できたことです。歩きながら色々話して下さいました。この方たちの身寄りの22人が岡山藩に流配され、その内の3人の方がこの地で亡くなられたそうです。「住吉宮付近に上陸後、(身寄りの方たちが)どのような経緯をたどったのか、この目で確かめたいという思いを、今日実現することが出来ました。」とのことです。この地を訪れた喜びと、流配された人たちを思う悲しみが入り混じった、複雑な気持ちだったでしょう。心から込み上げてくる思いに、耐えき切れない様子がうかがえました。百数十年前を偲び、史跡の前で静かに祈っておられる姿に、心を打たれました。
17時頃全員無事に岡山教会に到着。聖堂に皆さん集まり感謝の祈りを捧げた後、早副神父から「同行できなくてとても残念です。祈りながら自分の足で歩くことによって、その人たちの苦悩を体の中から感じ取ることができます。この思いを共有し、より深い信仰と絆を深めましょう」とお話しがありました。心のこもった語りかけに、冷え切った身体もほっと暖まったような気がしました。
前回の巡礼は、ごく軽い気持ちで参加しましたが、今回浦上教会の方々と接することができ、心の中に小さな変化がありました。歩くこと、祈ること、苦しみを共有すること、自分を振り返って見つめ直すこと…………。巡礼の意味や大切さが、少しだけ分かりかけてきたような気がします。お世話下さった方々に、心から感謝致します。

岡山南教会を瀧井神父に見送られ出発
旭川河口近くの住吉宮(上陸地)
流配所の松寿寺。
信徒の苦難を見つめたえんじゅの古木(樹齢約500年)
岡山教会に到着後、聖堂で祈る。