インファンタ教区訪問2007                   猪口神学生

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インファンタの目線

広島教区神学生 猪口大記神学生

 今年は高校生2名、大学生1名、社会人1名、司祭3名、神学生1名でインファンタを訪問して参りました。
 年齢層が上の為か、運動よりもむしろ教会での活動について、話を聞く機会が多い様に感じられました。直接的なホストファミリーとの交流の機会よりは、報告を聞く視察な様な印象でした。以前から一度は訪問したいと考えていた私にとって、今回のインファンタ教区の訪問は非常に喜ばしいものでした。のどかな風景、輝く太陽と笑顔、ゆっくり流れる時間。いかにも南国のイメージです。さあ、マニラの空港に降りて車に乗って、とある巡礼地のカテドラルを訪問する。イメージ通りの聖堂。装飾にあふれた祭壇。日常と教会との密接な関係。偶然行われていたのですが、結婚式中なのに人々は出たり入ったり、わずかにざわめきも聞こえます。でも何か独特の雰囲気が心地よく感じられます。
 しかし単純な「貧しさ」や、「活気ある教会」という様なステレオタイプ化された理解ではなく、そこにある小さな気付き、例えば道端の人に気付きその生活について考える事は、現地を体験する事によってしか、なしえない事かも知れません。少なくとも、現実として共感する事はなかなかできないでしょう。
 このインファンタの訪問の成果はそこにもあるのでしょう。ただ、異文化の体験で終るのではなく、日本で行動する時にもこの訪問の体験から、何か意識の片隅にインファンタの人の事を置いておく事、できれば彼らに共感し彼らの目線を借りてものを見る事ができるという事、そんな事ができればなんと素晴らしい事でしょうか。また、逆に、理解できない部分があると言う事を認識できれば、それはそれで、対話の為の機会になる事と思います。
 いずれにせよ、この訪問が行われる事は大きな意味を持つと思います。高校生の参加者は2名だけでしたが、大学生も私も、新しい発見がありました。高校生の時期に訪問する事で、きっともっと自然に何かを感じ取る事ができたでしょう。のどかな風景、輝く太陽と笑顔、ゆっくり流れる時間。そんなイメージよりも一人ひとりの状況まで感じ取れる様なその体験を通して、教会の拡がりを感じたに違いありません。主が共におられるという事を、また違う目線から見る事ができた様な気がします。